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こだわり抜いた木造建築を設計・施工するに当たって、「手刻み」にするか「プレカット」にするか悩む人も少なくありません。
手刻みとは、伝統技術を継承した職人がのこぎりやノミを使って手作業で木材を加工し、家の骨組みを作る技術です。一方、プレカットは「あらかじめ木材をカットしておく」という意味を持っており、つまり工場で機械的に生産した木材を利用する方法です。
手刻みは日本古来の伝統的な建築技術を受け継いだ大工が、様々な工具を使い分けながら手作業で継ぎ手や仕口を作り、あるいは適切な木材を選別して歪みや曲がりといった条件に合わせて調整法を工夫する技術です。一流の大工職人による手刻みは機械による大量生産では実現困難な品質を追求して、こだわりのデザインや仕上がりを実現できる反面、どうしても納期やコストでは大量生産に叶わないといった問題もあります。
しかし手刻みにしか実現できない工法も多く、例えば「書院造り」「社寺建築」「渡り顎工法」といった伝統工法は手刻みでしか再現することができません。
手刻みのメリットは長い年月をかけて磨かれ、何世代にもわたって職人に継承されてきた技術の粋を堪能できることでしょう。また木材ごとの特性を活かして木造建築をデザイニングできるため、まさしく自然素材の家の魅力を徹底的に追求していくことが可能です。
加えて、手刻みでしか実現できないデザインや工法も多く、本当にこだわり抜いた木造建築を叶えたい場合、手刻みの方に軍配が上がるでしょう。
反面、どうしても職人の手作業になるため工期が長くなり、コストも増大します。またそもそも対応できる職人や施工会社が限られていることもデメリットです。
プレカットの「プレ」は「事前に・あらかじめ」といったことを意味しており、つまり工場で事前に木材をカットしておき、それを現地で組み立てて家を建てる方法です。木材のカットはコンピュータが自動的に行ってくれる上、ある程度の余裕を持たせてカットされているため組み立てに熟練の職人だけが持つハイレベルの技術を必要としません。
一定以上のスキルがあれば誰が作業しても同じ品質の家を再現しやすく、大量生産するため低コスト化や短工期といったニーズも叶えやすくなります。
プレカットのメリットはいわゆる機械加工によって得られるメリットとなっており、コストを抑えながら工期を短縮し、ある程度のレベルの品質で家を量産できるといった点が挙げられます。
しかしプレカットでは木材ごとの特性や適性を考慮することがなく、木材によってはそもそも使えないというケースも少なくありません。また再現できるデザインや工法にも制限があり、手刻みと比べてシンプルな作りの家になりやすいことはデメリットです。
その他、組み立て作業のリスクを減らすため、継ぎ手や仕口の精度は手刻みに比べて劣っていることも事実です。
手刻みもプレカットもそれぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが現代の建築技術や建築スタイルとして優れていると言い切ることはできません。そのため、どちらを選択するかは施主としてこだわりたいポイントの有無や予算・工期といった要素を複合的に考慮した上で、自身が納得して選ぶことになります。
一般論として、日本の伝統技術の美を最大限に追求したい場合は手刻み、コストを抑えつつ工期の短縮も希望する場合はプレカット、といった考え方がベースになるでしょう。
手刻みの家でもプレカットの家でも、大切なことは施主として納得した上で建てられているかという点です。
そのため、まずは手刻みとプレカットのメリットやデメリットについて正しく理解した上で、自分がこだわりたいポイントや重視したい点を考えながら検討していきましょう。