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自然素材の家は健康の観点からもおすすめ

自然素材の家

自然素材の家が健康に良いと言われる理由は数多くありますが、その中でも特に注目したいのは、以下の3点です。

  1. 木はストレスや疲労感を軽減させるといわれているから
  2. 日本の気候に適した調湿機能などが期待できるから
  3. 化学物質による健康被害のリスクを抑えられるから

これらについて、詳しくご説明しましょう。

1.木はストレスや疲労感を軽減させるといわれているから

自然素材の家の大きな強みは、そこに住む人のストレスや疲労感を軽減させ、安心感や心地良さを与えてくれるというところです。

たとえば、木には「フィトンチッド」という精油成分が含まれており、このフィトンチッドが、まるで森林浴のような作用をもたらしてくれるといわれています。

また、木造とRC造の建物におけるストレスや疲労感の差を示すものとして、林野庁のホームページでも紹介されている「木造と鉄筋コンクリート造校舎が健康・精神面に与える影響-教師の蓄積的疲労について-」という興味深い資料があります。

これを見ると、「イライラの状態」「抑うつ状態」「不安兆候」「気力の減退」「労働意欲の低下」「身体不調」「慢性疲労」「一般的疲労感」の8項目すべてにおいて、木造の校舎で働く教師群のほうが、RC造の校舎で働く教師群よりも低い数値を出したという結果が出ているのです。[注1]

もっとも、これはあくまで「家ではなく校舎で感じるストレスや疲労の比較」ではあります。しかし、家も教師にとっての校舎も「長時間そこで過ごす」という点では共通しており、木によるストレスや疲労の軽減効果を感じられる結果といえるのではないでしょうか。

1986年に静岡大学農学部がハツカネズミを使っておこなった実験でも、興味深い結果が出ています。

木製・金属製・コンクリート製の3種類の飼育箱にネズミを入れ、生存率や成長率などを比較したところ、生後23日目での子ネズミ生存率は、木の箱が85%、金属の箱が41%、コンクリートの箱が7%となり、飼育箱の素材の違いで非常に大きな差がみられたのだそうです。また、子ネズミの成長率についても、木の箱が他の箱よりも良かったという結果となっています。

これらの結果からも、人間にとって、生き物にとって、生活の場、長くいる場は木などの自然素材で作られていることが好ましいということが分かりますね。

[注1]林野庁:第1部 第IV章 第2節 木材利用の動向(1)

2. 日本の気候に適した調湿機能などが期待できるから

無垢材や珪藻土などの自然素材は、適度な調湿作用を持っています。

「夏はジメジメ、冬はカラカラ」と、寒暖の差だけでなく湿度の差も激しい日本の気候の中で、湿度をある程度安定させてくれる自然素材の調湿作用は、健康面においてプラスとなる大きなポイントのひとつです。

また、木に含まれるフィトンチッドや漆喰の強アルカリ性は、抗菌や防カビなどの作用をもっています。カビや菌は繁殖すると家が劣化しやすくなり、リフォームや建て替えの必要が出てくる可能性も。加えて、頭痛や息苦しさなど健康にも良くない影響を与えかねません。

調湿機能と合わせて「夏の湿気によるカビの繁殖リスク」を下げる働きが期待できるのは、頼もしいポイントといえるでしょう。

木材に含まれるフィトンチッドとは?

抗菌、防カビ、防腐などの効果をもたらすフィトンチッドは、木に含まれる精油成分のことです。もともとはロシア語の「植物」「殺す」を組み合わせた言葉で、テルペン類やフェノール、エーテルなどの成分を指します。

植物は生命維持や成長に欠かせない行動として、幹や葉から精油成分を放出。これにより、森林がすがすがしい香りに包まれるのです。植物から出るフィトンチッドを浴びることを森林浴と呼びます。

森林浴は虫よけや抗菌、消臭など幅広い効果をもつため、間接的に健康への悪影響を減らすことにもつながるとのこと。近年は檜に含まれるヒノキチオールから院内感染を起こすMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)への抗菌作用が見つかり、よりフィトンチッドの研究が進められています。[注2]

[注2]岐阜県森林研究所:ヒノキチオール今昔物語 ヒノキチオールの利用

3. 化学物質による健康被害のリスクを抑えられるから

素材を活かし、加工を最小限にしているからこそ、他の素材と比べて化学物質の使用がゼロ、あるいは少ないという点も、自然素材の家が健康に良いと考えられている理由のひとつ。

たとえば、無垢材には接着剤は使われていませんが、集成材や合板を作るためには接着剤が必要です。ひとつひとつに使われる接着剤の量はそれほど多くなくても、家一軒分となると大きな差が出てきます。健康を意識している現代だからこそ、化学合成素材をほとんど使用しない自然素材の家の需要が高まっているのです。

近年問題になっているシックハウス症候群や化学物質過敏症などには、建材などに使われる化学物質が大きく関わっていると考えられています。

コンクリートや合板、ビニールクロスなど、コストを抑えた化学合成材の住まいでは放出される化学物質も増加。結果として、知らない間に体に害を与えている可能性もあります。もともとアレルギーの症状がある方は、免疫が過剰に反応しやすくシックハウス症候群や化学物質過敏症のリスクも高まるので気を付けましょう。[注3]

このことからも、健康を害するリスクを極力低く抑えられる自然素材は、快適な暮らしにもってこいだといえます。

[注3]一般財団法人上越環境科学センター:シックハウス症候群について

住宅の健康被害が増えてきている理由

シックハウス症候群が知られ始めたのは、1970年代に省エネ対策をするようになってから。省エネ効果や高気密・高断熱な住まい、冷暖房の完備で住宅内にダニやカビなどが繁殖しやすくなったのが要因といわれています。

安く高性能な住まいを作るには建材に化学物質を使って防腐・殺菌をする必要があるため、これらの建材を使用した住まいが主流になり、シックハウス症候群になる人が増えたと考えられています。

同じ建物でも症状が出る人と出ない人に分かれる?

化学物質への耐性は人によって異なります。そのため、同じ家に住んでいても許容量が少なければ症状が出やすく、許容量が多ければ症状が出にくくなるのです。ただし、期間の違いはあっても、長年同じ場所に住んでいればいつか症状は出ます。症状が出る前に対策することが大切です。[注4]

[注4]内閣府食品安全委員会:ADIと基準値の設定 食品の安全を守る仕組み