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漆喰と珪藻土の違い

壁材として使われる自然素材には無垢材や漆喰、珪藻土などさまざまなものがあります。中でも調湿機能や消臭効果など、多機能な材料として用いられる漆喰と珪藻土。ここではその違いをまとめました。

漆喰と珪藻土の大きな違いとは

自硬性(自力で固まる力があるか)

漆喰は水酸化カルシウムである消石灰を糊や接着剤と混ぜたもの。塗ってから時間が経つと空気中の二酸化炭素と反応し、徐々に固まっていきます。素材がそのまま固まって壁を保護するので、余計な添加物を足す必要がなく、健康に配慮した自然素材として使えるのです。

混ぜる糊も天然由来のものを使うことで、耐火性に優れた「自然素材100%の漆喰」の壁が実現可能。持ちも良く、昔ながらの町屋の中には漆喰仕上げの壁が今でも残っているところがあります。

珪藻土は植物プランクトンの死骸が積み重なり、化石になったものです。熱を加える以外の方法で固まらないため、珪藻土に水を加えても乾くとボロボロに崩れてしまうのが特徴。市販の塗り材やグッズには砂や固めるための特殊な固化材が配合されています。メーカーや製品の種類によっても変わりますが、塗り材に含まれる珪藻土の割合は50%以下のものが多いようです。また、混ぜ物が多い塗り材は珪藻土が10%以下しか含まれていない場合もあります。

あまりにも割合が低いと、珪藻土の魅力である調湿性が損なわれることに。せっかく自然素材で建てても、快適に暮らせないのであれば本末転倒です。だからこそ、珪藻土を用いる場合は製品の見極めが大切になるのです。

仕上がり

漆喰はつるつるした感触、珪藻土は少しざらっとした感触が特徴です。これは漆喰が貝殻やサンゴの化石を原料とし、珪藻土が珪藻の化石を原料としていることに由来します。漆喰はサラッとした水酸化カルシウム、珪藻土は粒が大きく硬い二酸化ケイ素なので、塗ったときの質感にも差が出てくるのです。劣化の仕方も、漆喰はひび割れや汚れが目立つのに対し、珪藻土はカビやはがれ落ちなどが起こりやすいのが特徴です。

色味にも違いがあります。漆喰はほとんどが乳白色なのに対し、珪藻土は色素材や調整剤を加えてあるのでカラータイプも存在します。壁の色までこだわりたいのであれば、カラーバリエーションがある珪藻土のほうが適しているかもしれません。ただ、近年は色素材を加えたカラータイプの漆喰も販売されているようなので、そこまで気にすることはないでしょう。

どちらも見た目や触り心地が異なるので、壁に塗る場合は好みに合わせて使いましょう。長く住むからこそ、デザインから住みやすさまでこだわりたいもの。漆喰は和洋どちらにも合わせられますが、珪藻土のざらっとした質感は西洋テイストの住宅には向かないこともあります。加えて、小さな子どもがいる場合はぶつかったり肌をこすりつけたりすることが考えられるため、手触りがつるつるした漆喰のほうがおすすめです。

壁材としての歴史

壁材としての歴史は、漆喰が圧倒的に長いです。漆喰は約5,000年前から壁材として利用されており、古くはピラミッドの内装として用いられていたことがわかっています。古代ギリシャやローマでも建造物や装飾に漆喰が使われており、日本にも飛鳥時代に渡ってきました。

壁の材料が少ない時代で、耐火性やある程度の強度があることから家やお城の壁によく使用されていたことがわかっています。姫路城や彦根城、松山城など漆喰を使ったお城は、現在も形を保っているものが多くあります。

一方、珪藻土が壁材として利用され始めたのは30年ほど前からです。珪藻土自体は2000年前から見つかっていたようですが、塗り材としてではなく、水に浮く素材や耐火レンガの材料として使われていました。遺跡からも珪藻土でできた釜が見つかったことがあり、生活の一部に溶け込んでいたことがわかります。

壁材として使われ始めてからは、自然素材の中でも高い調湿性を好む方に重宝されています。歴史は浅いものの、最近話題に上ることも増えてきており、今後が注目されている素材です。

どちらがよりコストを抑えられるか

漆喰と珪藻土は、素材自体にそこまで価格差はありません。以前は珪藻土のほうが割安な時期もありましたが、現在は同じくらいとなっています。

コスト差が変わる理由は素材以外にかかる費用、下地や施工料金の差です。いくら材料費を安く抑えていても、施工に手間がかかる場合は職人に支払う施工賃が高くなります。そのため、トータルの料金も上がってしまうのです。漆喰と珪藻土では、珪藻土のほうが施工が比較的簡単で金額も安くなっています。コスト重視でも塗り壁の良さを感じられるのが魅力といえるでしょう。

ただし、コストは長い目で見ることも大切です。珪藻土は確かに施工時の金額は安いかもしれませんが、漆喰よりも劣化が早い素材。配合されている素材の割合によっては、十年と経たずにカビや壁の崩れに悩まされることになりかねません。何度も塗り替えやリフォームをすることを考えると、珪藻土は向いていないでしょう。

何世代にもわたって暮らすなら、施工が多少手間でも長持ちする漆喰のほうがランニングコストは低くなります。そういった面も含めて、塗り材を選ぶようにしてください。

割ける予算が決まっていて、どうしてもコストを抑えたいのであればDIYを検討するのも一つの手。左官職人に塗り壁を依頼するとそれなりにかかりますが、自分でDIYとして塗る場合は費用が安くなります。ただしプロと素人では出来上がりが全く違うので、満足いく仕上がりを求めるならDIYは避けるのが賢明でしょう。

家のどの箇所に使うのが適している?

家の場所で向き不向きは変わる

漆喰と珪藻土が適している箇所は、家を建てる位置によって異なります。たとえば、海辺だと景色に漆喰の白が映えてキレイに見えますが、湿気がこもりやすくなるため実はあまりおすすめできません。カビが生えるリスクも高まります。

海辺や川辺、埋立地などの湿気が多い場所では、珪藻土を使うのが良いでしょう。特にRC造のマンションや空気がこもりやすい住宅には結露が出やすいため、調湿性の高い珪藻土は相性が良い素材です。

漆喰は珪藻土に比べて調湿性が低いため、木造や日当たりが良い場所の家、風通しが良い住宅などでの使用が◎。もともと木造建築の塗り材として用いられることが多かったので、外壁から内装まで幅広い範囲に使えます。

内装でおすすめの塗り場所はここ!

漆喰も珪藻土も部屋の内装に使われることが多い塗り材です。壁や天井、水回りなどさまざまな場所に使えます。漆喰の長所である消臭機能を活かすなら、寝室やリビングの壁に塗ると良いでしょう。家族団らんの場や寝る場所をいつでも快適に保てます。

また、料理のにおいが出やすいキッチン周りもおすすめ。長時間料理をしても、漆喰がにおいを吸着してくれるため、翌日もすっきりした空気になります。

調湿機能は珪藻土のほうが高いため、湿度が高い水回りや湿気がこもる地下室・収納スペースには珪藻土がおすすめです。結露を防ぎ、カビの繁殖しにくい環境を作ってくれます。納戸、物置などの窓がない部屋も、珪藻土を塗ることで調湿作用が働きます。そのため、しまってある道具もカビや結露でダメになることなく、長持ちするようになります。

使い分けで良さを最大に引き出せる

漆喰と珪藻土の違いについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。漆喰も珪藻土もそれぞれ長所があり、優れた自然素材です。家の場所・室内によって塗る場所を変えることで、最大限の効果が引きだせます。使い方によってはデザインやインテリアとしても活かせるため、違いを学んで気に入った素材を使ってみてください。

どちらも比較的値が張る素材ですが、建材として使ったときの効果や見栄えは高水準。過ごしやすさを重視した暮らしをしたいなら、検討してみて損はないでしょう。

漆喰は耐火性や消臭効果を得たい方、珪藻土は調湿性を重視する方にぴったりな素材なので、違いを参考に選んでみてください。不安なら、施工に慣れている工務店に相談するのも良いでしょう。かかる費用や効果、素材のメリット・デメリットを事前に知っておくことで、悪徳業者にひっかかりにくくなります。

家は一生もの。多額のお金がかかるからこそ慎重に選ぶべきです。素材から施工まで、信頼できる業者にお願いして、満足いく家を建てましょう。