自然素材の家について、すべての情報を紹介sponsored by 石田工務店

自然素材の家を建てる!TOP » 正しい知識で自然素材の家をつくろう » 自然素材の家に関するQ&A » 自然素材の家づくりにおける注意点4つ
 

自然素材の家づくりにおける注意点4つ

このサイトは 「石田工務店」をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

木造建築

自然素材の家を建て、住むことを考えた際、注意すべきポイントとしてはおもに以下の4つが挙げられます。

  1. 無垢材は年月とともに変化する
  2. 珪藻土は素材の特性のクセが特に強い
  3. 漆喰の調湿機能はそれほど期待できない
  4. 自然素材の家は熟練の技が必要

これら4つのポイントについて、詳しく説明しましょう。

1.無垢材は年月とともに変化する

無垢材の柱は、集成材の柱と比べて木材の乾燥にともなう反りや割れ、ゆがみなどが生じやすくなります。「反りや割れなどが出る」ということに不安を感じる人もいるでしょう。

とはいえ、実は無垢材は天然乾燥の中で強度を増していくため、築年数が経つ中で無垢材に多少の反りや割れ・ゆがみなどが出たからといって、構造上に問題が出るわけではありません。むしろ新築時よりも頑丈になっているといえますので、この点は安心して大丈夫です。

また、無垢材のフローリングは、結露を抑えたり湿度を調整したりという調湿機能が期待できますが、この機能は無垢材の膨張と収縮といった現象をもたらします。その膨張と収縮の繰り返しが「フローリング板が少し膨らむ」「わずかな隙間ができる」などといった現象を引き起こすこともあります。

また、無垢材は年月が経つほどに色が飴色っぽく濃く変化していきますが、これを味わいと考えるか、「古びた感じで嫌だ」と思うかは、人それぞれです。ですから、「何年たっても変化の少ない見た目」を望む人にとっては、無垢材は不向きな部分があるかもしれません。

2.珪藻土は素材の特性のクセが特に強い

自然素材の壁材として近年は珪藻土の需要が高まってきていますが、珪藻土は素材の特性のクセが特に強い、というところが大きな注意点となります。とりわけ注意すべきなのは、「手触りがザラザラ・ゴツゴツとしている」という点です。

たとえば、小さなお子さんが家の中で走り回るなどして珪藻土の壁で強く肌をこすってしまうと、擦り傷ができてしまう恐れがあります。また、引っかいたりすると珪藻土自体がボロボロと粉になって落ちたり、服にもついてしまいやすいので「壁に服をかけたり、もたれかかったりできない」という不便さを感じる人も少なくありません。

また、珪藻土は素材的に「焼成をし、さらに接着剤や糊を混ぜなければ、壁材として使えない」という弱点もあります。特に気をつけなければならないのは、接着剤の品質です。せっかくホルムアルデヒドなどの化学物質の心配がない珪藻土を使っていても、接着剤の化学物質リスクが高ければ意味がありません。

3.漆喰の調湿機能はそれほど期待できない

漆喰は、自然素材の壁材の中でも高い人気を誇っています。「珪藻土のようにザラザラ感がなく手触りがいい」「強アルカリ性なのでカビなどの予防ができる」といった強みが知られていますが、珪藻土と混同して「調湿機能が高い」と期待している人も少なくありません。

しかし、漆喰は多少の調湿機能はあるものの、珪藻土と比べると、この点でははるかに劣ります。「漆喰に調湿機能がある」といえるのは、あくまで壁の下地が土壁だった時代の話です。土壁込みで考えれば、確かにそれなりの調湿機能は期待できるのですが、今のような石膏ボードの下地との組み合わせでは、漆喰自身の「珪藻土よりも弱いわずかな調湿機能」しか得られないというのが実情です。

そのため、漆喰に対しては調湿機能をあまり期待するべきではありません。そちらを一番に優先したいなら、珪藻土を選ぶことをおすすめします。

4.自然素材の家は熟練の技が必要

誰でも扱いやすいように規格が整えられた集成材や合板・壁クロスなどと違って、自然素材は素材そのものに強い個性やクセがあります。

だからこそ、家づくりに自然素材を使う場合は、大工などの職人がそれぞれの素材の個性やクセをしっかりと理解しておく必要があります。

たとえば「木材ひとつひとつを見て、将来的な伸縮・変形がどうなりそうかの予想を立てた上で施工する」などといった見立てができるかできないかで、仕上がりに大きな差が出てきます。

そのため、「自然素材の家づくりは、自然素材の扱いに手馴れた熟練の職人を抱えているところを選ぶ」ということがとても重要です。

自然素材の家を建てる際のエリア別注意点

自然素材は、育った土地の気候に合わせて成長するため、同じ種類の素材であっても特徴が異なります。自然素材にこだわっているつもりでも、ご自身が建てるエリアの気候に合った木材でなければ、腐食や劣化が想定よりも早く進んでしまうかもしれません。

見た目や色の好みだけで選ぶだけでなく、地域の標高や寒暖差、土地の水はけ、災害の多さなどの特徴を捉えて、自然素材を選ぶことをオススメします。気候風土になじんだ素材で作ることで、住宅を長持ちさせることができるでしょう。

海辺に家を建てるとき

海辺に家を建てるときには、塩害、砂害、湿気への対策が大切です。

塩害とは、風に運ばれた海水の塩分が付着して、鉄筋がサビたりコンクリートが劣化したりすること。敷地内にいくつか水道を設けて家のメンテナンスをしやすくしたり、電気設備に防錆処理を行って屋内に設置したり、換気扇の換気口は海の反対側に設けるといった対応がおすすめです。

砂害に関しては、気密性の高いサッシを使っても隙間から入り込んでくるため、パソコンやオーディオなどの精密機器の置き場には気を配らなければなりません。海からの湿気対策としては、高断熱・高気密の家なら24時間換気は当然で、窓を開けられない日にも空気を入れ替えられるような工夫が必要です。

積雪の多い地域に家を建てるとき

積雪の多い地域に家を建てるときには、凍結、雪の重み、断水への備えが重要です。

冬の寒さが厳しいエリアでは、給湯器が凍ってしまうことがあります。冬場は、配管に直接巻きつける保温テープや配管を包み込む保温チューブを使用して、凍結対策を行いましょう。

エアコンの室外機に雪が積もると故障の原因になるため、小まめな雪かきも必要です。雪の重みで設備が壊れないよう、軒先やカーポートの雪下ろしも大切。断水に備えてアウトドア用品を活用したりお風呂の水を溜めておくことも積雪対策の一つとして考えられます。

災害の多い地域に家を建てるとき

日本では台風、洪水、地震など、地域によってさまざまな災害が起こります。家を建てる土地を決める前に、ハザードマップなどでエリアの特性を確認しましょう。

台風への対策は防風柵や防風シャッター、耐衝撃性に優れたガラス窓を設置することが考えられます。洪水対策としては、高床にしたり防水性の高い外壁を利用したりすることも一つです。耐震性については、1981年以降の新耐震基準により建築された家屋ならば、震度7程度でも倒壊を防ぐことができます。