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燻煙乾燥木材は燻煙熱処理・燻煙乾燥処理を行った木材です。薬剤注入処理や人工乾燥ではなく、「煙」による乾燥手法をとることで、木材の繊維を破壊せずに済みます。ある程度の含水率を保ったまま、住宅の構造材、内装材への使用が可能です。燻煙乾燥木材には国産材を用いる場合がほとんど。違法伐採をはじめとする環境へのリスクが抑えられます。
燻煙乾燥の熱媒体は蒸気ではなく煤、つまり「炭素」。炭素は水よりも熱伝導率が高く、熱を効率よく伝えれる物質です。また、煤の成分が木に染み込むことで、防虫防カビの効果があると考えられています。
燻煙乾燥の歴史は古く、藁葺き民家にある囲炉裏の煙が柱を燻すことで乾燥させたのが由来。燻された柱は狂いが少なく、数十年以上持つ住まいが実現しました。その発想を現代の建築材にも転用し、より耐久性を上げる目的で開発されたのが燻煙乾燥木材です。
原木から燻煙熱処理を行う場合、通常は約4日間、養生後のものは約2日間かけます。角材としてすでに成型や加工が済んでいるものに関しては通常約5日、養生後のもので約1日の期間が必要です。
処理済みの原木は外に出して3日~7日間をかけて含水率約40%になるまで調整します。燻煙熱処理済の製品(柱材)は製材時の柱材で含水率約35%。天乾3週間前後で含水率約20%前後になります。
燻煙熱処理済の製品(板材)は厚さ30m/mの場合、天乾約1週間で含水率約30%にまで乾燥。そのほか、二次燻煙乾燥による乾燥記憶処理木材は、約4日前後で形状燻煙木材製品として完成します。
高温の人工乾燥と異なり、50~70度でゆっくり燻していのが燻煙乾燥木材。表面が焦げ付かず割れが生じにくい、木肌の美しさを保った木材をつくることが可能です。成長応力が緩和され、反りや割れを低減した製品になるのも燻煙乾燥木材のメリット。そりやひび割れが少ないことから構造材としての使い勝手がよく、長持ちする建材として使用できます。
また、燻煙乾燥木材にはダニ、シロアリ、カビを寄せ付けにくくするメリットも。木材に、防虫防カビ効果を持つ煤がしみ込んでいるからです。
急激に乾燥をさせない処理工程なので、「木の油分が抜けにくい」という特徴もあります。木は油分が抜けてしまうとツヤがなくなりパサパサに。燻煙乾燥木材は、油分を維持して表面をカサつかせず、長期間キレイな木肌が維持できる木材です。
燻煙乾燥木材はまだまだ研究の余地が残されている木材です。技術的に確立されているとは言い切れないのがデメリットと言えます。また、燻煙した後は独特の香り(煤臭い)があり、1年間程度はにおいが抜けないいのも難点です。
また、燻煙乾燥材には木の性質が残るため、アレルギー体質の方に症状が現れるケースも報告されています。
自然乾燥とも呼ばれる乾燥方法で、最も時間を要します。風通しのいい場所に木材を置き、半年から1年ほどかけて、じっくりと乾燥させていく方法です。最大のメリットは機械を用いないため初期費用などが一切かからない点、木材の本来の艶を維持されやすい点が挙げられるでしょう。ただ自然の力だけでは十分に乾燥させることができず、変形・収縮が起こりやすい問題も。とくに高気密・高断熱の住宅であれば、なおさら変形や収縮をきたしてしまい、大黒柱・梁などに支障をきたしかねません。
密閉空間に木材を置き、真空ポンプを用いて減圧排気する乾燥方法なので、非常に乾燥時間が短いという特徴があります。比較的新しい方法のため、製材店で取り入れている企業は少ないでしょう。しっかりと高温で乾燥させることができるので、木材本来の油分が失われる、変色するなどのリスクもあります。しかし徐々に技術が発達すれば、今後はデメリットも少なくなることが期待されるでしょう。
強制乾燥や高温乾燥などと呼ばれる乾燥方法で、乾燥機の中で最もメジャーなものが蒸気式です。人工乾燥のメリットは含水率を自由にコントロールすることができる点でしょう。木材は使用する場所によって最適な含水率があるため、意図的にコントロールできるのは建築材として優れていると言えます。ただ極端な人工乾燥をおこなうことで、内部割れなどの要因になることも。つまりコントロールする人の力量で、仕上がりが左右されてしまうのです。
燻煙木材については、2011年時点で性能評価の調査研究が行われています。「燻煙処理方式が木材の乾燥能力を備えていることがわかった」という結果です。
仕上げ乾燥の向き不向きについての偏りもありませんでした。温度・湿度などの環境条件が整い、かつ処理時間が充分にとれる場合は仕上乾燥も可能と報告されています。