自然素材の家について、すべての情報を紹介sponsored by 石田工務店
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住宅は日々の食事や寝起きをする場所で、リラックスできる環境であることが大切です。もともと日本の建物の外壁や内壁は土や漆喰で塗られていたことから、自然素材で家を建てることは日本の文化に根底に存在しています。
現代は化学物質のアレルギーで健康を害するケースも多く、住宅にはできる限り自然素材を使いたいと考える人が増えています。
しかし、自然素材の家を建てようと思い立っても、どのような自然素材をどこに使ったら良いのかといった疑問は尽きないもの。ここでは、屋根や外壁に適している自然素材について紹介しています。また、屋根や外壁等の外装を自然素材にすることのメリットについてもまとめました。
自然素材に限らず、いい住まいのためには素材を適材適所に使うことが不可欠です。屋根や外壁であってもそれは同じで、適した性質の自然素材があります。
屋根は、現在セメントと石綿からなる人工スレートが主流です。こうした人工スレートに代えて屋根に天然素材を使うためには、耐久性、耐水性、耐熱性に優れた素材であることが必要不可欠です。そのような性質を備えている自然素材として天然石や瓦があります。
また、外壁は風雨にさらされるため頑丈であることが優先されます。また、火事になったときにすぐに燃えひろがらないことも大切です。外壁に必要な機能を有する素材は耐久性と耐火性に優れていることが求められることから、漆喰が適しています。
住宅の屋根に使われる自然素材にはどのような素材があるのか、その種類と特徴について考えてみましょう。
屋根材で自然素材といえば、瓦があげられるでしょう。瓦には多くの種類がありますが、粘土を原料とする天然素材のものが日本瓦です。瓦屋根は台風の多い沖縄でも昔から用いられているように、耐久性、耐火性、断熱性、遮音性、耐水性に優れています。しかし、重量があるため耐震性に不安があり、近年のデザインに合わない、費用がかかるといったデメリットも備えています。
屋根材に天然石を使用すれば、耐久性と美しさを兼ね備えた屋根に仕上げることも可能です。天然石は断熱性にも優れているため、直射日光で暖まりやすい屋根裏なども涼しく保ちやすくなります。初期コストが高くなりがちな天然石ですが、メンテナンスの点では多くのメリットがあるため、長く住むことを考えているならば選択肢としておすすめです。
今の主流はコスト、耐火性、メンテナンスに優れているサイディングです。外壁材に自然素材を使うこともできますが、比較してコストは高くなるでしょう。自然素材を選択する場合は、漆喰、木、タイル・天然石が考えられます。
外壁に漆喰を使うことで、サイディングやビニールクロスと異なり、自然な色合いで頑丈に仕上がります。漆喰は結露を抑制し、化学物質を吸着分解する作用も。抗菌性能や耐火性能に優れるのも特徴です。また、省エネ性能やメンテナンス性能にも優れる、健康によい素材です。
古来より日本で使われている最もポピュラーな漆喰で、平安時代の初期には壁材として使われていました。今でもお城や蔵の外壁などで見られます。
海藻糊を炊いたものに麻や紙の繊維をほぐして混ぜ入れ、塩焼きにした消石灰を練り込んで手作りします。高価な材料を使うため、当時はお城や寺社、経済力のある商人の土蔵など一部の建物にしか使われていませんでした。
今でも天然の素材が入手困難であることから、本漆喰を使用するとなると大変高価になります。
漆喰メーカーが製造した、工場で調合・加工された漆喰です。
合成樹脂や化学繊維、有機質添加剤などを混ぜた多くの製品が登場しており、水を加えて練るだけで使える粉末タイプの製品や、既に練られたペースト状の製品があります。
調合の手間がなく均質な仕上がりになることから、今では多くの建物で既調合漆喰が採用されています。顔料を混ぜて色づけされた漆喰もあるため、白以外の漆喰を使用したい人におすすめです。
土佐に古くから伝わる水でこねた漆喰です。
塩焼きした灰と発酵藁(わら)すさが入っているのが特徴で、高知県では昔から農家や商家の土蔵、家屋の外壁・内壁、瓦の屋根漆喰、土壁の上塗りなど、建物の多くの部分を土佐漆喰で施工していました。
きめ細かく押さえたときの質感がしっとりとしており、日本古来の漆喰壁に向いていますが、藁(わら)の成分が含まれているため、真っ白ではなく少し黄味がかったような仕上がりになります。
古来琉球の時代より使われている、沖縄独自の漆喰です。
珊瑚を焼いてつくった生石灰に稲の藁(わら)と水を入れて加熱反応させ、石臼でもちをつくように細かくつぶして作られます。
外壁よりも、「赤瓦」と呼ばれる伝統的な屋根瓦を塗り固めるために用いられるのが主流。漆喰の材料となる藁(わら)は、沖縄の伝統行事「大綱引き」の網が使用されており、素材を無駄にせず再利用するSDGs精神も受け継がれています。
スペイン産の石灰でつくられる漆喰です。西洋漆喰は調温・調湿効果や保温効果に優れており、古代エジプトの時代から建物のさまざまな場所やピラミッドにも使われてきた歴史があると言われています。
生石灰を焼いた消石灰が主な成分で、大理石や顔料の粉、セルロースファイバーなどが含まれています。
その他にも砂や凝集剤、保湿剤、防水材が混ざっており、壁に厚みをもたせられるのが特徴です。プロバンス風や地中海風など、ヨーロッパ式の住居をつくりたい方に選ばれています。
施工費が高いからと言って、予算を抑えようとDIYで済ませようとするのは早計です。漆喰を塗るには熟練の技術が必要で、専門の職人以外が施工してしまうと数年で剥がれてしまう可能性があります。
また、手塗りの工程を何度も行う必要があり、きれいに仕上げるにはプロの知識と経験が必須ですし、2階や屋根近くなどの高所作業では危険が伴います。
外壁に漆喰を使いたい際は、漆喰工事を専門で請け負っている左官工事のプロに依頼しましょう。
外壁に木を使うのは高温多湿の日本では稀で、機能よりも視覚的な印象をよくすることが主な目的です。防火性に関する国の基準があるため、木材を多く使うということはできない場合もあります。ただし外壁に使用した場合のメンテナンスは人工素材よりも簡単かつ、比較的長持ちします。
木目が細かく硬い性質を持ち、腐りにくいため、外壁として適しています。価格も米杉などと同じくらいなので、リーズナブルに家を建てたい際にもおすすめです。
カラマツ独特の節や木目を楽しみたいならクリア塗装も良いですが、赤みが少なく塗料映えもすることから、壁の色にこだわりたい方にも最適です。脂気が多く含まれており、経年ごとに変化していく色を楽しむこともできます。
文字通り、杉材の板の表面を焼いて炭化させた板を指します。木材を炭化することで、木に含まれる微生物が繁殖できなくなり、腐りにくくなり耐久性がアップしますが、炭なので触れば手に黒い色がつくデメリットもあります。
ただ、焼杉板の表面は一般的な木材にはない独特の風合いがあります。レトロな雰囲気やモダンに仕上げたい、見た目にこだわりつつ建物の耐久性も高めたいといった方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
高級な木材のため、外壁の全面に利用するとなると価格が高くなりますが、施工場所によって等級を変えるなど、工夫次第で実現しやすくなります。
檜は油分が多く水に強い性質を持っていますが、年中雨風にさらされる、気温差に耐えることを考えると、割れや抜けを起こさないよう節の少ない物を選ぶのが賢明です。縦張りで施工するとスッキリと上品な印象の見た目に仕上がります。
東南アジアや南米の原生林で育った、高耐久性の天然木です。イタウバやウリン、イペなどが主流で、とくにウリンは非常に硬く、別名「アイアンウッド」と呼ばれるほど腐りにくく丈夫なのが特徴。防虫性や耐水性も高く、湿気の多い桟橋やウォークデッキ、海岸線の建物などでも利用されています。
湿気の多い地域に家を建てたいけれど、外壁は木材にこだわりたい方は、ハードウッドを候補に検討してみると良いでしょう。
外壁の板張りには価格差があります。外壁に木材を使用したい際には、木材ごとの価格をしっかりと調べた上で検討しましょう。
また、木材の種類にもよりますが、雨による劣化やシロアリ被害が考えられるため、こまめな点検やメンテナンスが必須です。木が腐食してしまうと、どうしても交換が必要になります。木材専用の塗料を使う、シロアリ対策をするなど、木材が少しでも長持ちするよう気を配りましょう。
タイルや天然石も外壁に使われることがあります。石は他の建材に比べ耐久性や防火性に優れているため、外壁材としても向いているのがポイント。ただ、タイルや天然石はコストがかかるので、大量に使用すればその分初期コストは高額になるでしょう。そのため、外壁のデザインにアクセントとして加えるのがおすすめです。
外装に自然素材を使用することにはメリットだけでなく、デメリットも考えられます。ここで、自然石を外装に使用するメリット・デメリットについて考えてみましょう。
屋根や外装などの外壁を自然素材にすることで、住環境を化学物質に汚染されない清浄な環境に保つことができます。自然素材は、耐久性・防火性に優れている素材も多く、外壁に適した素材といえるでしょう。メンテナンス性にも優れており、生涯コストを考えると初期費用が高くても経済的といえるでしょう。
外壁に自然素材を使うことで負担になることは、初期費用の問題が考えられます。自然素材は、人工素材よりも割高であるため、住宅建設のコストをあげてしまいます。また、自然素材は傷つきやすい素材も多く、施工も熟練の技術が必要です。
自然素材は化学物質を含まず、アレルギー疾患がある人や子供・お年寄りも安心して健康に暮らすことができるのがメリットです。
しかし、自然素材はアレルギーのリスクや割高で傷つきやすい素材の多さなどもあり、100%自然素材で住宅をつくるのは難しいことも。自然素材と人工素材のベストミックスを考えて住宅を建てることがよい場合も多いといえるでしょう。
自然素材の家を建てる場合、周囲の環境や立地も考えることが大切です。まず、防火基準の面で自然素材をふんだんに使用できない場合もあります。また、住宅周囲の化学物質の状況次第では、自分の家だけを自然素材で建ててもアレルギーに敏感な人にとって問題が生じる場合も多々あります。
日本の風土には地域ごとに適した建材があるため、自然素材にこだわりすぎるとかえって住みにくい住宅になってしまいます。地域に適した建材の中でできるかぎり自然素材を取り入れて家を建てることを検討するとよいでしょう。
シックハウス症候群など、現代の住環境は様々な化学物質などの問題を抱えています。自然素材を使用した住宅のニーズも増えてくるでしょうが、全て自然素材の住宅もなかなか難しいのが現状です。部分的に使用する場合は、屋根には瓦や天然石、外壁には漆喰やタイル・天然石を使用するのが望ましいでしょう。
自然素材を住宅材に取り入れるとき初期費用は確かに高くなりますが、生涯コストから考えると妥当であることがほとんどです。自然素材の特徴を知り、その地域の住宅に適した素材を考えながら、家づくりをすることが長期的に住みやすい家となるでしょう。