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ワトコオイルはイギリスやデンマークなどヨーロッパで長年にわたって使われているオイルフィニッシュであり、植物油をベースとした浸透性の塗料として無垢材などに幅広く利用されています。
ワトコオイルの特徴として、植物油と溶剤をメーカー独自の配合によってミックスされており、木材にオイルを塗ると植物油が浸透していき、溶剤は時間経過と共に大気中へ蒸発していくという仕組みが挙げられます。これにより、木材には植物油をベースとした成分だけが残り、木が持っている自然の風合いを活かしながらつや消し仕上げを再現できることが魅力です。
ワトコオイルは塗布直後から24時間程度をかけて溶剤が蒸発していき、植物油成分が木材の内部へ浸透していきます。表面をカバーするのでなく、浸透性の塗料だからこそ木材の呼吸を阻害することがなく、調湿効果を活かして室内の湿度維持をサポートできることが重要です。また木材の割れや歪みについても悪影響を与えません。
塗布作業も塗りやすいように配慮されており、家具や工芸品、建物の内装まで様々なものへ濡れることはメリットです。
ワトコオイルを塗布した木材は定期的なメンテナンスが推奨されており、日常的なメンテナンスでは乾いた布を使ってから拭きを行います。
また、美しい外観を維持できるように、初めてワトコオイルを塗布・施工してから3年目までは少なくとも年に1回、できれば年2回の補習・再塗布作業を行うことが理想的として推奨されています。なお、作業環境や木材の種類によって塗りすぎるとカビの発生リスクを高める恐れもあり、条件に合わせて塗布量や塗布周期を調整することが大切です。
ワトコオイルは塗装後に完全乾燥した時点で、植物油を主成分とした天然由来の素材のみが残ることになるため、人体に対して無害になります。
ただし、オイルフィニッシュ塗料としての機能を獲得するために溶剤が使用されており、塗装中や完全乾燥が済むまではマスクをするなど健康を守る取り組みを心がけることも必要です。
ワトコオイルは「ナチュラル(クリア)」や「ホワイト」、「マホガニー」など複数のカラーバリエーションが展開されており、さらにワトコオイル同士であれば混合して好みに調色することもできます。
ワトコオイルを含めたワトコ製品はヨーロッパEEC規定にもとづいて英国CHIP規定を遵守しており、品質マネジメントに関する国際認証としてISO9001を取得している点も見逃せません。
溶剤として使われている材料にもホルムアルデヒドやトルエン、キシレンといった物質は使われて折らず、英国健康安全委員会が定める「健康に及ぼす環境規定」における有害物質を含有していないことがポイントです。