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ウォールナットはクルミ科クルミ属の落葉広葉樹ですが、同じく家具や建築に用いられる「クルミ」とは別物です。木材・家具業界で言うウォールナットは、北米産が主流のブラックウォールナットを指します。
一方、家具の材料としてクルミと書かれている場合は、日本に昔から広く分布しているオニグルミという種類の木です。
ウォールナットは、チーク・マホガニーとともに世界三大銘木に数えられる高級品種です。古くからアンティーク家具や大聖堂のような建築、工芸品などさまざまなものに使われてきました。アパラチアン山脈一帯に自生していて、厳しい寒さのもと長い時間をかけて生長することから硬く粘りのある材質です。
特徴は深みのあるブラウン色であること。また、そのほかにも加工のしやすさ、狂いが少なく優れた耐久性、つやがあり触り心地が良い、衝撃を吸収しやすいなどがあります。
一般的な木材に比べ価格は高い樹種ですが、美しい色や木目に加え、耐衝撃性や加工性など品質の面でも優れていることから現在でも非常に人気の高い木材です。
クルミ材は、一般的にオニグルミという種類の木を指します。日本をはじめ、中国やロシア産のものがあり、日本では北海道から本州、四国、九州までの広範囲にわたり植林されていています。繁殖力が強く河原などでも自生のものを見かけるほど身近な木で、日本に自生しているクルミの木は大半がオニグルミと言われています。
種子の殻は、その硬さからスタッドレスタイヤの素材に使われることがあります。また皮は染色に、樹皮を除いた木質部がスモークチップに使われるなど、古くから便利な木として利用されてきました。木の高さは20~30メートルと高くなります。成長の早さはもちろん、乾燥したときに木の伸び縮みが少なく加工性も良いため、フローリングや家具の素材に向いています。
ウォールナットとクルミの大きな違いは、木材の色です。ウォールナットは深みのある濃いブラウンであるのに対し、クルミは明るくナチュラルな白い木材となっています。同じクルミ科でも相対的な色合いなのです。
ウォールナットは重厚感や高級感を感じさせる色味で、他の木材にはない美しさを放ちます。着色せずともこの色味が出せるのはウォールナットならではと言えるでしょう。一方クルミは、柔らかく温もりのある雰囲気があります。シックで落ち着いた空間にしたいならウォールナット材が、明るく開放的な空間にしたいならばクルミ材が良く合うでしょう。
ウォールナットとクルミでは価格も異なり、ウォールナット材の方が高いです。理由は人気があるから。ウォールナット材は北米産の木材のため日本に限らず各国から買いに訪れるバイヤーが後を絶ちません。人気があるほど価格が上昇するというメカニズムが働いているのです。
一方クルミは日本国産のものが多く、国産木材は世界的な需要はそれほど高くないため海外からバイヤーが殺到するという事態にはなりません。そのためウォールナットより安く取引されています。