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住宅におけるSDGsの取り組み

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住宅に関わるSDGs

SDGsはすべての人類に関わるものであり、政府や大企業だけが取り組む目標ではありません。住宅をつくる・住む人にも関連しており、特に以下のゴールは住宅に深く関わっているといえるでしょう。

たとえば、住宅建築において環境問題への取り組みは欠かせません。CO2排出量の削減や森を守る取り組みなどが挙げられます。また、人々が健康的に暮らすために、アレルギーなどを発症しにくい自然素材の家を選ぶこともSDGsに貢献していると考えられます。ゴール12にある「つくる責任 つかう責任」は家づくりを行う人にも関連しており、環境や健康に配慮した家を選ぶことが大切です。

参考:外務省HP「JAPAN SDGs Action Platform」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html)

SDGsとは

SDGs(エス・ディー・ジーズ/ Sustainable Development Goals)とは、「持続可能な開発目標」のこと。2015年9月に開催された国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されており、SDGsは17のゴールと169のターゲットから構成されています。

SDGsはより良い世界を目指すためにつくられた目標であり、その取り組みが持続可能であることを前提としています。

また、SDGsでは地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っており、先進国も途上国も含めた人類すべてが公平で幸せに暮らせる世界をつくることを意味しています。

SDGsの前身はMDGs

SDGsには17のゴールがありますが、ゴール1~6は旧来のMDGs(ミレニアム開発目標)に関わるものです。
MDGsは2000年9月の国連ミレニアム・サミットで採択されており、発展途上国の社会課題解決を目指す内容がメインでした。しかし気候変動や格差拡大は途上国だけの問題ではないことから、発展国も含めたすべての国が地球を守るための目標としてSDGsが採択されました。

SDGsの17のゴールとは?

ゴール1~6(MDGsに関連)

ゴール7~11(豊かさに関連)

ゴール12~15(環境や地球に関連)

ゴール16、17(平和やパートナーシップ)

住宅業界のSDGs導入の動き

SDGsへの取り組みはすでに住宅業界でも始まっています。SDGsには「住宅メーカーはこう取り組まねばならない」というルールは決まっていないため、SDGsへの取り組み状況や内容は工務店やメーカーによって異なります。

たとえば自然素材の家で健康に配慮した家づくりを行ったり、ZEH住宅によって環境問題へ貢献したリ。地震に強い家づくりを行うことも「⑪住み続けられるまちづくりを」に関連していると考えられるでしょう。
なお、SDGsへの取り組みを公式HPなどで積極的に発信しているメーカーや工務店もありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

工務店・ハウスメーカーがSDGsに取り組むことによる施主へのメリットは?

SDGsに取り組む工務店やメーカーで家を建てることは、「施主自身もSDGsに貢献できる」「快適な暮らしを実現できる」などのメリットがあります。 たとえば工務店やメーカーは、SDGsへの取り組みとして自然素材の家やZEH住宅などを導入しています。自然素材の家はシックハウス症候群などのリスクを減らせますし、ZEH住宅は光熱費削減などにもつながります。SDGsに取り組む工務店やメーカーを選ぶことで、施主自身も大きなメリットを得られるでしょう。

住まいとSDGsの関係

住宅の省エネ化

私たちの住まいにおいてSDGsに貢献するためには、CO2の排出量を減らす取り組みが大切。生活に必要なエネルギーの消費量をいかに減らせるかが肝心です。

そのためにはエネルギーを上手に使う「省エネ」を意識する必要があります。

例えば、電気を電力会社からの供給に頼らず、太陽光や風力、地熱発電などの再生可能エネルギーを導入して発電する省エネ化があります。

エネルギー収支ゼロを実現するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の登場もそのひとつです。年間で消費する住宅のエネルギー量をおおむねゼロ以下にするというもので、既存住宅の省エネ化が進められています。

室間温度差をなくす

夏に冷房を使わず、冬に暖房を使わない暮らしが実現すれば、エアコンなどの使用が減り結果的にエネルギーの節約になります。そのために進められているのが気密性や断熱性の高い家づくりです。

家のすき間を無くして外気の出入りを少なくし、断熱材を施工して熱を伝わりにくくすることで、室温と表面温度の差が小さくなります。体感温度が高くなり、結果として省エネにつながるとされています。

長寿命な住まいづくりで資源の消費を抑える

食料や資源の消費・生産を持続可能にするために、食品ロスや資源の大量廃棄を防ぐ取り組みが浸透してきました。

SDGsに伴って、食品や物と同じように、住宅においても安易な廃棄を防ぐ取り組みが行われています。

なるべく長く使える素材を選び、建物の修繕や解体を防ぐことで資源の消費抑制につながります。

リサイクル、リユースできるものや自然由来の素材、土に還る素材を使って環境への負担を減らし、廃棄や処理にかかるエネルギーの削減を目指しましょう。

「ライフサイクルコスト」で考える家

建設から廃棄までのライフサイクルコストを意識した住宅建築は、光熱費や将来のメンテナンスコストを抑えることに繋がります。

例えば、建築費を抑えようと断熱や気密性の低い家を建ててしまうと、いつでも暖房や冷房が欠かせない、エネルギー消費の大きな家になってしまいます。耐久性を考えずに建築してしまうと、将来結果的にメンテナンスコストがかかるでしょう。

目先の一部コストにとらわれず、将来的にエネルギーコストを抑えられるかを考えた上で建築することが経済的にもSDGsの観点からも大切です。

SDGsに沿った家づくりとは

自然の力を活かすパッシブデザイン

パッシブデザインとは、自然の力を活用する設計手法です。

例えば、季節によって変化する日射しの角度を踏まえて窓を設計すれば、照明なしでも明るい室内が実現します。また、夏は極力日射しを遮って室温の上昇を抑え、冬は日射しを活用して逆に室温を上げることができます。

風の吹き方や強さなどを考慮したパッシブデザインもSDGsに効果的です。家じゅうに風が通りやすいよう窓を設計すれば、エアコンなしでも涼しい家を実現することもできるでしょう。

このように、自然の力をうまく活用すれば、冷暖房機器や照明に使用するエネルギーを最小限にすることができます。

これからの家づくりでは、通風や断熱、光利用、日射熱利用、日射遮蔽などのデザインを、バランスよく建物に取り入れられるかが求められます。

身近な木材の活用

古来より、日本の家づくりに欠かせないのは国産木材でした。しかし、戦後復興や経済成長を理由に安価で手に入る輸入材が使われるようになり、国内の森林が放置されてしまっていたのです。

森林の木が使われないと、国内の林業事業者が減って森林維持ができなくなってしまいます。

2021年、コロナ禍の「ウッドショック」以降、輸入材の価格が高騰し国産材の需要が増加しました。

国産材の利用は、国内の森林を守ることにも輸入先の森林を守ることにもつながります。また、運搬時のCO2排出やコスト削減につながっていることから、国産木材の活用は複数の課題を解決する取り組みに繋がるとして注目されています。

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