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コロナ禍によってリモートワークが一気に普及したことに伴い、世界中で建築需要、特に都心よりも郊外、自宅でも仕事ができるスペースを確保できるような戸建ての需要が高まっています。
この戸建ての建築需要によって木造住宅に使用される木材の価格が急騰するいわゆる「ウッドショック」という現象が、2021年3月頃から聞かれるようになりました。
ウッドショックという言葉は、1970年代に発生した「オイルショック」になぞらえてつけられた言葉で、2020年夏頃からアメリカで囁かれ始めたといわれています。
アメリカではリモートワークの普及や住宅ローン金利の低下などもあって、住宅需要が拡大。
シカゴの木材先物市場では、2021年5月に1000ボードフィートあたり1700ドルという過去最高値を更新。この数字は実に昨年の4倍以上であり、今後も1200~1500ドルという高い水準での取引が続くと予想されています。
日本の木材の自給率は3割程度であり、大部分を輸入に頼っているのが実情です。
その内訳はアメリカ・カナダからの米材が約16%、アジア諸国からの南洋材が約7~8%、ヨーロッパからの欧州材が約8%、その他、オーストラリア、ベトナム、ロシアなどが輸入元となっており、世界中から木材を輸入しています。
最大の輸入国であるアメリカでの住宅需要の高まりによって木材の調達が難しくなっていることに加え、コロナ禍から脱したとされる中国でも木材需要が拡大していること、さらに中国がコンテナを買い集めていることで世界中がコンテナ不足に見舞われており、ヨーロッパなどからの木材が日本に届かなくなっていることで、日本の住宅業界にも深刻な影響が及び始めているのです。
なかでも深刻な木材不足に直面しているのが、中小の工務店です。
輸入木材の入荷が減っている木材加工業者は、より高い値段で購入してくれる大手ハウスメーカーなどへの出荷を優先せざるを得ず、中小の工務店は資材が調達できないという現状があります。
資材が調達できないとなれば工事ができないことはもちろん、着工できたとしても契約時よりもコストが上がってしまうことで利益が目減りしてしまうなど、経営そのものへのダメージも懸念されます。
なお、国内の大手ハウスメーカーはというと、鉄骨系の住宅建築については影響は限定的、木造建築については、一部商品については価格改定が実施されているものの、木材の調達については一定の目処がついているといわれています。
そもそも日本は、国土のおよそ7割が山林という木材資源大国です。
にも関わらず輸入木材に頼らざるを得ないのには、山村での過疎化、林業の人材不足や高齢化が進んでいることなどが挙げられており、木材の輸入が減っているから即国内産に切り替えるといった対応ができない根本的な原因がここにあるのです。
また、輸入木材を使うことを前提に設計をした場合、使用する木材の強度に合わせた設計となるため、仮に国内の木材に切り替える場合、設計の見直しが必要になる可能性があり、コスト増につながることも懸念されます。
ウッドショックとは輸入木材の不足を意味しており、比較的安価な輸入木材を用いたいわゆるローコスト住宅や建売住宅については、大きな影響を受けることになるでしょう。
一方で、もともと国産の木材しか使わない住宅メーカーであればその影響は限定的であり、また国産材使用による長期優良住宅の建築などは「地域型住宅グリーン化事業」の補助金制度も利用できます。
そのため、今後戸建ての購入を考えている方であれば、国産木材を使った注文住宅も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
ウッドショックによって世界的に住宅用木材の需要が高まっていることから、日本に外国産木材を輸入できない状況が起きています。
外国産木材の輸入量が減れば国産木材の需要が増えますが、急な需要の増加に供給が追いつくわけではありません。
そのため、住宅事業者の木材調達価格が、1坪当たり2〜3万円程度上昇しています。今後はもっと上がることが予想されており、1坪当たり4〜6万円上昇するかもしれません。たとえば30坪の住宅なら120〜180万円の価格上昇となり、最終的には200万円を超えるのではないかという意見もあります。
アメリカでは一時上昇した住宅需要が鈍化して、すでに木材価格は下落に転じています。ピーク時の1,000ボードフィート当たり1600米ドルから、2021年9月には602米ドルにまで落ち込みました。
しかしながら、日本ではまだ外国産木材の輸入量増加の傾向は見られません。
今後の住宅業界では、国産木材への移行が少しずつ進んだり、国内林業の育成が見直されたりするでしょう。住宅事業者が値決めに踏み切ったり、ターゲットの切り替え、経営の多角化、あるいは逆に専門店化させたりなど、経営戦略を変更することも考えられます。